文書作成・情報整理・会議準備・資料作成・業務の効率化。学校現場で実際に使いやすい場面を、 コピーして使えるプロンプトと「守りの型」つきで扱います。最後のワークで、自分の業務を1つテンプレ化して持ち帰ります。
通知文・所見・進路書類。人間起案→AI推敲→人間レビュー。
通達のToDo化・アンケート集計・調べ物の構造化。
論点3分類・議事録・悪魔の代弁者。
職員会議1枚資料・スライド構成案。
効率化のすべてに先立つ土台。迷ったらこのセクションに戻ってください。
高校の文書には、生徒の進路に直結するものが含まれます。だからこそ「型」が大切です。
伝えたい事実・観点・骨子は自分で書きます。箇条書きのメモで十分。ここが文書の「魂」です。
メモをAIに渡して、文面のたたき台を複数案つくらせます。表現磨き・トーン調整・体裁はAIの得意分野です。
たたき台を自分の言葉で書き直し、事実確認をして仕上げます。出力をそのまま使わないのが原則です。
調査書・推薦書は特別ルール
生徒の具体的な事実・人柄は人間が書きます。AIに任せてよいのは表現磨きや構成の整理まで。生徒の進路に重大な影響を与える文書をAIに丸投げしない — これは高校の生成AI活用でいちばん大事な線です。
会議で問われる前に、AIに問わせる
企画の弱点を事前に洗い出しておくと、会議は「反論への防戦」ではなく「よりよくする議論」になります。AIを反論役にするのは、出力を鵜呑みにしない Slow AI 的な使い方でもあります。
迷ったら、入れない。そして、聞ける場所を持っておく。効率化のすべてに先立つ土台です。
一般的な指導案・発問・行事計画/すでに公開されている資料(HP掲載の案内など)/架空の事例(「高2・架空の生徒Aの場合」)/自分が作成した教材・ワークシート。
個人が特定できない、一般化された情報です。
実在の授業の様子・生徒の作文/所見のたたき台にしたい行動メモ。
→ 氏名を消して「生徒A」化し、組み合わせで特定できる情報(学年+部活+家族構成など)を崩します。匿名化してもなお迷うなら、入れない側に倒します。
氏名と成績・所見の実データの組み合わせ/健康・家庭状況・支援に関する情報/進路情報・調査書・推薦書の実データ/保護者連絡の実文面/未公開の内部文書の実名部分。
便利さと引き換えにできない情報です。
「組み合わせ」がいちばんの落とし穴
名前を消しても、「3年生・吹奏楽部・生徒会長」まで書けば校内では一人に絞れてしまいます。単体では無害な情報も、組み合わせで個人になります。
| 観点 | 避けたい渡し方 | 線を守った渡し方 |
|---|---|---|
| 入力する情報 | 「◯◯さん(実名)は模試の偏差値が◯◯で、部活は◯◯部の部長。家庭では…」と実データをそのまま貼る | 「生徒A:粘り強さが伸びた。具体場面は放課後の自主学習。教科は数学」と観点と事実だけを記号化して渡す |
| AIへの依頼 | 「この子の推薦書を書いて」 | 「この観点メモから、所見のたたき台を3案。断定しすぎない表現で」 |
| 仕上げ | 出力をそのまま転記する | たたき台を自分の言葉で書き直し、名前や固有の事実は最後に手元で戻す |
この型の副産物
観点だけを渡すと、AIの出力は必然的に「たたき台」になります。個人情報を守る型は、そのまま「出力を鵜呑みにせず、最後は自分の言葉で書く」型でもあるのです。
AIの出力の中で「事実として扱われている部分」— 数字・人名・制度名・出来事 — に印をつけます。ここが確認の対象です。
「その根拠は?出典を示して」と聞き、示されたリンクや資料名を実際に開きます。それらしい出典名でも実在しないことがあります。
文科省・県教委の原文、教科書、要項など、一次資料と突き合わせます。日付の古い情報にも注意します。
ハルシネーション(もっともらしいウソ)は前提
生成AIは、存在しない通知や統計を「それらしく」語ることがあります。外に出る文書・判断に関わる情報ほど、この3ステップを省略しないでください。AI出力の最終責任は使用者にあります。
Part 1 で書いた「時間泥棒」の業務を、明日から使える自分専用プロンプトにします。
このページかプロンプト集から、自分の業務にいちばん近いものをコピーします。下の分掌別テンプレも使えます。
【】の部分を自分の業務・受け手・形式に合わせて書き換え、Gemini で実際に動かします。1回で決まらなくて当たり前。2〜3往復して調整します。
完成したテンプレを隣の先生と交換して使ってみます。「自分以外でも使えるか」が、共有資産になれるかの試金石です。
「そもそもこの業務、他校はどうしているのか」を調べたいときの型です。Gemini の Deep Research でも通常チャットでも使えます。近いものをコピーして書き換えてください。
問いに書いてよいのは「構造」まで
学校を特定できる細かな事情や、生徒・保護者の情報は問いに書きません。「1学年4〜5クラス規模の公立高校」のように一般化した文脈に翻訳してから書きます。