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校務ユースケース実践 — 5つの場面で使う

文書作成・情報整理・会議準備・資料作成・業務の効率化。学校現場で実際に使いやすい場面を、 コピーして使えるプロンプトと「守りの型」つきで扱います。最後のワークで、自分の業務を1つテンプレ化して持ち帰ります。

文書作成 — 人間起案 → AI推敲 → 人間レビュー

高校の文書には、生徒の進路に直結するものが含まれます。だからこそ「型」が大切です。

人間が起案する

伝えたい事実・観点・骨子は自分で書きます。箇条書きのメモで十分。ここが文書の「魂」です。

AIが推敲する

メモをAIに渡して、文面のたたき台を複数案つくらせます。表現磨き・トーン調整・体裁はAIの得意分野です。

人間がレビューする

たたき台を自分の言葉で書き直し、事実確認をして仕上げます。出力をそのまま使わないのが原則です。

調査書・推薦書は特別ルール

生徒の具体的な事実・人柄は人間が書きます。AIに任せてよいのは表現磨きや構成の整理まで。生徒の進路に重大な影響を与える文書をAIに丸投げしない — これは高校の生成AI活用でいちばん大事な線です。

spellcheck 文書校正 3観点(クリックでコピー)
次の文書を以下の観点でチェックし、改善案を3つ示してください。 ① 読みやすさ(一文の長さ、専門用語、語尾) ② トーン(丁寧さ、温かさ) ③ 構成(結論先出し、見出し) 【対象文書】 (ここに貼り付け)
edit 所見・コメントのたたき台(記号化して渡す)
次の観点メモから、所見のたたき台を3案作ってください。断定しすぎない表現で、それぞれ雰囲気を変えて。 【観点メモ】 生徒A:粘り強さが伸びた。具体場面は放課後の自主学習。教科は数学。 (実名・成績などの実データは書かず、観点と事実だけを記号化して渡す)

情報整理 — 読む時間を、判断する時間に変える

checklist 通達・依頼文書のToDo化
次の文書から、本校が対応すべき事項を抽出してToDoリストにしてください。 - 各項目に「期日」「担当が必要か」「提出物の有無」を添える - 判断が必要な事項と、事務的に処理できる事項を分ける 【文書】 (ここに貼り付け)
table_chart アンケート自由記述の集計・要約
次のアンケート自由記述を分析してください。 ① 内容ごとに分類し、それぞれの件数を示す ② 各分類の代表的な意見を要約する(原文の転記ではなく要約で) ③ 少数意見だが見落とすべきでないものを1〜3件挙げる 【自由記述データ】 (氏名などの個人情報を除いてから貼り付け)

会議・打合せの準備 — 会議は「準備」で決まる

call_split 論点の3分類(決める・共有する・持ち帰る)
次の会議の議題リストを、以下の3つに分類してください。 【この場で決めること】 【共有だけでよいこと】 【持ち帰って検討すること】 そのうえで、「この場で決めること」から順に並べた進行案を提案してください。 【議題リスト】 (ここに貼り付け)
description 会議メモ → 議事録
次の会議メモから議事録を以下の形式で整形してください。 【議題】 【決定事項】 【保留事項】 【次回までのアクション(担当・期日)】 【メモ】 (ここに貼り付け)
gavel 悪魔の代弁者 — 企画の弱点を先に洗い出す
あなたは「悪魔の代弁者」です。次の企画案に対して、会議で出そうな反対意見・懸念を5つ、厳しめに挙げてください。それぞれに「どう答えれば納得を得やすいか」の返答案も添えてください。 【企画案】 (ここに貼り付け)

会議で問われる前に、AIに問わせる

企画の弱点を事前に洗い出しておくと、会議は「反論への防戦」ではなく「よりよくする議論」になります。AIを反論役にするのは、出力を鵜呑みにしない Slow AI 的な使い方でもあります。

資料作成 — 伝わる形に圧縮する

slideshow 職員会議 提案資料1枚
次の論点をベースに、職員会議に提案するための一枚資料を作ってください。 【背景】【現状の課題】【提案】【期待効果】【懸念点と対応】【判断を仰ぐポイント】の6ブロックで。 【論点】 (ここに記入)
view_carousel 説明用スライドの構成案
次の内容を説明するスライドの構成案を作ってください。 - 全8枚以内 - 各スライドに「タイトル」「載せる要素(箇条書き)」「話す一言」を添える - 聞き手:【例: 保護者/新入生/教職員】 - 目的:【例: 制度変更を理解して安心してもらう】 【内容】 (ここに貼り付け)

守りの型 — 個人情報の線引きとファクトチェック

迷ったら、入れない。そして、聞ける場所を持っておく。効率化のすべてに先立つ土台です。

check_circle 入れてよい

一般的な指導案・発問・行事計画/すでに公開されている資料(HP掲載の案内など)/架空の事例(「高2・架空の生徒Aの場合」)/自分が作成した教材・ワークシート。
個人が特定できない、一般化された情報です。

warning 加工してから

実在の授業の様子・生徒の作文/所見のたたき台にしたい行動メモ。
→ 氏名を消して「生徒A」化し、組み合わせで特定できる情報(学年+部活+家族構成など)を崩します。匿名化してもなお迷うなら、入れない側に倒します。

block 入れない

氏名と成績・所見の実データの組み合わせ/健康・家庭状況・支援に関する情報/進路情報・調査書・推薦書の実データ/保護者連絡の実文面/未公開の内部文書の実名部分。
便利さと引き換えにできない情報です。

「組み合わせ」がいちばんの落とし穴

名前を消しても、「3年生・吹奏楽部・生徒会長」まで書けば校内では一人に絞れてしまいます。単体では無害な情報も、組み合わせで個人になります。

具体例:所見・推薦書の下書きで考える

観点 避けたい渡し方 線を守った渡し方
入力する情報 「◯◯さん(実名)は模試の偏差値が◯◯で、部活は◯◯部の部長。家庭では…」と実データをそのまま貼る 「生徒A:粘り強さが伸びた。具体場面は放課後の自主学習。教科は数学」と観点と事実だけを記号化して渡す
AIへの依頼 「この子の推薦書を書いて」 「この観点メモから、所見のたたき台を3案。断定しすぎない表現で」
仕上げ 出力をそのまま転記する たたき台を自分の言葉で書き直し、名前や固有の事実は最後に手元で戻す

この型の副産物

観点だけを渡すと、AIの出力は必然的に「たたき台」になります。個人情報を守る型は、そのまま「出力を鵜呑みにせず、最後は自分の言葉で書く」型でもあるのです。

入力前の3秒チェック — 5項目

  • 1. 実在の生徒・保護者・同僚の名前が入っていないか
  • 2. 名前がなくても、組み合わせで特定できないか(学年+部活+役職…)
  • 3. 未公開の内部文書・会議資料をそのまま貼っていないか
  • 4. この出力を公開・共有する予定はあるか(あるなら基準をさらに厳しく)
  • 5. 迷いが残るなら入れずに、聞く(管理職・情報担当・相談スペース)

確認の型 — 3ステップ

数字・固有名詞に印をつける

AIの出力の中で「事実として扱われている部分」— 数字・人名・制度名・出来事 — に印をつけます。ここが確認の対象です。

出典を聞く・開く

「その根拠は?出典を示して」と聞き、示されたリンクや資料名を実際に開きます。それらしい出典名でも実在しないことがあります。

一次資料と照合する

文科省・県教委の原文、教科書、要項など、一次資料と突き合わせます。日付の古い情報にも注意します。

ハルシネーション(もっともらしいウソ)は前提

生成AIは、存在しない通知や統計を「それらしく」語ることがあります。外に出る文書・判断に関わる情報ほど、この3ステップを省略しないでください。AI出力の最終責任は使用者にあります。

マイ・テンプレ化 — 自分の業務を1つ、型にする

Part 1 で書いた「時間泥棒」の業務を、明日から使える自分専用プロンプトにします。

近いプロンプトを選ぶ

このページかプロンプト集から、自分の業務にいちばん近いものをコピーします。下の分掌別テンプレも使えます。

自分の文脈に書き換える

【】の部分を自分の業務・受け手・形式に合わせて書き換え、Gemini で実際に動かします。1回で決まらなくて当たり前。2〜3往復して調整します。

隣と交換して試す

完成したテンプレを隣の先生と交換して使ってみます。「自分以外でも使えるか」が、共有資産になれるかの試金石です。

分掌別・業務を構造から見直す問いのテンプレート

「そもそもこの業務、他校はどうしているのか」を調べたいときの型です。Gemini の Deep Research でも通常チャットでも使えます。近いものをコピーして書き換えてください。

calendar_month 教務 — 行事・年間計画の精選
▼ 対象・文脈 日本の公立高校(普通科・1学年4〜5クラス規模)における、学校行事の精選と年間計画の見直し。 ▼ 知りたい構造 - 行事の精選はどんな観点・基準で行われているか - 実際に行事を削減・統合した高校・自治体の事例と、その判断プロセス - 削減後に「残した行事」の教育効果をどう説明しているか ▼ 出力形式 - 精選の観点一覧 → 事例(自治体名・年度つき) → 効果と課題 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける。推測と事実を区別する
school 進路指導 — 進路書類・面談準備の業務整理
▼ 対象・文脈 日本の公立高校における、進路関係書類(調査書・推薦書等)の作成業務と、進路面談の準備業務。 ▼ 知りたい構造 - 進路書類作成の工程分解と、教員負担が大きいとされる工程 - 書類作成の効率化(テンプレート整備・分担・デジタル化)に取り組んだ高校の事例 - 生成AIを使う場合に「人間が書くべき部分」と「支援に任せられる部分」をどう線引きしているか ▼ 出力形式 - 工程分解 → 事例 → 線引きの考え方 → 課題 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける。生徒の個人情報はこの問いに含めない
support_agent 生徒指導 — 欠席連絡・指導記録のデジタル化
▼ 対象・文脈 日本の公立高校における、欠席・遅刻連絡のデジタル化と、生徒指導記録の整理・共有。 ▼ 知りたい構造 - 欠席連絡業務はどんな工程に分解され、どこに時間がかかっているか - Google フォーム等で電話連絡を置き換えた学校・自治体の事例 - 移行時の課題(連絡が届かない家庭への配慮、緊急時の扱い)と対応策 ▼ 出力形式 - 工程分解 → 事例(ツール名・自治体名つき) → 課題と対応策 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける
receipt_long 総務・庶務 — 集金と校内文書管理
▼ 対象・文脈 日本の公立高校における、集金業務(教材費・行事費等)と校内文書の管理・回覧。 ▼ 知りたい構造 - 集金・文書管理業務の工程分解と、負担が大きいとされる工程 - キャッシュレス集金や文書のデジタル回覧に移行した学校・自治体の事例 - 移行コスト・保護者対応・会計監査上の課題と対応策 ▼ 出力形式 - 工程分解 → 事例 → 課題と対応策 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける
health_and_safety 保健 — 保健室業務の記録と共有
▼ 対象・文脈 日本の公立高校の保健室における、来室記録・健康観察のデジタル化と教職員間の情報共有。 ▼ 知りたい構造 - 保健室業務の工程分解と、記録・集計にかかる負担の実態 - 来室記録をデジタル化した学校・自治体の事例(使用ツール、集計の工夫) - 個人情報保護と情報共有を両立させる運用ルールの事例 ▼ 出力形式 - 工程分解 → 事例 → 運用ルール → 課題 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける
sports_soccer 部活動 — 大会引率・事務の負担軽減
▼ 対象・文脈 日本の公立高校における、部活動の大会引率・遠征事務(申込書類・保護者連絡・会計)の負担軽減。 ▼ 知りたい構造 - 部活動事務の工程分解と、顧問の負担が大きいとされる工程 - 書類テンプレート化・保護者連絡のデジタル化・地域移行などで負担を軽減した事例 - 安全管理・責任の所在に関わる部分と、効率化してよい部分の線引き ▼ 出力形式 - 工程分解 → 事例 → 線引きの考え方 → 課題 ▼ 制約 - 国内事例を優先し、出典を必ず付ける

問いに書いてよいのは「構造」まで

学校を特定できる細かな事情や、生徒・保護者の情報は問いに書きません。「1学年4〜5クラス規模の公立高校」のように一般化した文脈に翻訳してから書きます。

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